5.0
天才が努力した様な画力と演出は唯一無二。
表情の変化が秀逸で「喜・怒・哀・楽」と明確な区切りのあるデジタルではなく「ふんわり」としたアナログです。ここまで細やかに描き分けされる作家さんは初めて見ました。そして幼い頃から今までを僅か3コマで完璧に伝えきるという演出力もお持ちです。こんなの真似出来る作家さんは居ないんじゃないでしょうか。
コマ運びにも独特なものがあり、空回りに見えて実はそうではないと読者に見せるのが上手いので、主人公の溢れんばかりの想いと同時に傍目にどう見えているのかが違和感無く伝わってきて、いつまでも温かく見守りたい気持ちになります。
特筆すべきは「観る側にストレスをかけてからスッキリさせるためのご都合主義」が一切使われていない点で、これは作者さんの演出力が非凡である事の証明だと思います。
演出登場人物も全員が応援したくなる魅力を持っていて、ラブコメとか漫画とかのジャンルではなく、創作という世界に完成形を示した作品です。
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