よみがえる〜。
『夢路だに 君に通へるものならば 現に見むと思はざらまし』……鷹男の帝が瑠璃さんに寄越した“お和歌”(それも結構底意地の悪いタイミング!)の記憶がいきなり蘇ってきました。ヒロインは、時代背景を考えると、破天荒を突き抜けた型破りな……なのに、深窓の姫君。幼少期をド田舎(失礼!……でも今でも桜の名所)でお祖母様と過ごしたせいか、身内には遠慮のない物言いで、頭にくれば『おととい来やがれ!』とか『フタもバケツもあるもんか!』と凄まじい。
でもとってもウブなところもあって、『ぶっちぎりの仲よっ……!』なんて(笑)。
でも、話はどんどん深くなって、驚きの展開に、氷室先生の凄さを実感することに。
漫画で楽しんで、もしよければ、文庫の方も試してみてください。
ラノベ、なんて言い方が無かった頃のコバルト文庫。自分と似た年頃のヒロインが活躍する物語を夢中になって読んだっけ。
初期の頃は峯村良子の表紙&挿絵で、ドキリとするような色っぽさがよかったな……なんて。しまい込んでいる筈だから、引っ張りだして読もうかしら(笑)。
初公刊から三十年以上の時を経てもなお、煌めきを失わない、そんな作品だから、原作者が既に鬼籍に入っているのを寂しいと心から思います。
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4.0