4.0
成敗されて然るべし
最初は何が主軸のお話なのか分からず、理由も分からず不快になっていたのですが、その理由が全て自称ラーメン批評家男にあると確信し、同時に作品の主題も掴めました。日本人が古来より大好きな「成敗もの」であると。
現代のSNS問題を中心として、一人の自称評論家について描く。彼はどうしようもなく人を思いやれず、自己中心的で、我儘で身勝手。更には自分が正しいと思い込み、人からの否定的な指摘を受け付けず、自らをハイクラスだと勘違いしているのが駄目。仲間からも見放されているのに、まだ気が付かない。救いようのない人。社会の癌とでも言うのでしょうか。
そして男の発言や思想は尽くゴミです。ごめんなさい、ゴミに失礼でした。
「俺の知ってる○○はこうだった」「昔は良かったけどな」「全然駄目だな」「分かってねぇな(俺は分かってるけどな)」という、老害のテンプレを地で行くロイヤルストレートフラッシュが炸裂。それだけで読者をイライラさせられるのはむしろ褒められるべきところです。
心の中で、裕福な親子がラーメン屋で食べていることにケチをつけ、ボーイッシュな女性を貶すなんて、どれだけ器小さい人なのでしょう。考えられない。
こういう「考え」を持つことは自由ですが、この男の場合、これらを外に出すだけでなく迷惑をかけ、人の人生をめちゃくちゃにしていますから、処されてスッキリするかどうかも怪しいです。
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あいにくあんたのためじゃない