3.0
今回も少し原作小説と変わっていました。
ルシェは窓から聖物の部屋を見つめていますが、巨大な聖物の影に隠れセリアとリナの姿は見えません。
そんななかカリスが来たことに気づき「決闘の続きをしに来たのか?」と言うルシェにカリスは「はい。ベルク太閤殿下」と答えた瞬間、手袋を投げつけます。
ルシェは手袋を掴み、それをチラリと見たあと床に落とし靴で踏みつけながら悪意に満ちた笑みを浮かべていますが目は全く笑ってません。
カリスを追って来た神官たちが2人を止めようとしていると「殿下」とビビがやって来ました。
ルシェは苛立ちながら「邪魔をするな」と言いカリスに向かって行きます。
「お嬢様はどうしますか?」
「何かあるのか?」
「お嬢様は止めてくれと言いました」
ルシェはセリアがこうなると予想してビビを寄こしたのか?と考えているとリノンが書類を持ってやって来ました。
「子供をどうするか決めたのか?」とリノンに聞くルシェに「子供はハネトン家で育てる」と答えたカリスに激怒します。
「このイカれたクソ野郎!」ルシェはかすかに笑みを浮かべながら手袋を外しカリスを殴り、ビビから剣を奪い切りつけます。
ルシェは倒れたカリスの胸の骨を砕こうと足でおさえつけ「君の耳に押し込んで聞かせてやろうか?なぜ私の言うことが理解できないんだ?」
カリスは痛みに咳き込み口から血が流れています。
「ルシェ?何してるの?」とセリアが部屋から出てきました。
「セリア…」ルシェの声に目を覚ましたセリアはお風呂に入っています。
ゆっくり目を動かすと見なれた手がセリアの腕をさすっていました。
「部屋に入る前、ビビに何かあったら止めてとお願いしました。ここで問題を起こしたら10年は人前に出れないから…私のせいです。ビビにハネトン公爵を暗さつするように頼んでおくべきでした…ハネトン公爵のことも聞きました。怒ってたんでしょう?もっと早く出て行けばよかった…」
ルシェはセリアを見つめながらクスクス笑っています。
「ルシェ、ここに来て」と言うとルシェはバスローブを脱いで浴槽に入り後ろからセリアを抱きしめます。
(セリアはただ近くに来てくれればよかった)
「ルシェ…ハネトン公爵は私がいないとあんな態度を?」
「彼のことは話したくない
目を閉じると寝室にいて、セリアは2日間寝込みます。
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正統派悪役令嬢の裏事情
077話
第76話