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作品レビュー
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1 - 10件目/全18件

  1. 評価:1.000 1.0

    承認欲求・表現の稚拙さ

    承認欲求は、私にもある。
    例えば、仕事で認められたい。
    例えば、妻にカッコいいと思ってほしい。
    それは「リアル」での話じゃん、というならば、ネット上の話でもいい。
    例えば、このサイトで自分のレビューに「参考になった」が入れば、嬉しい。
    それは、SNS(私はやらないが)での承認欲求と、本質的にはさして変わらないと思う。

    ネット上での承認欲求は、無自覚に生まれやすいし、手軽に自分を偽れるぶんだけ、歪んだり、現実と乖離していく怖さがあるし、程度によっては現代の病の一種だろうから、上手く描けば面白いテーマだと思う。

    ところが、この漫画はびっくりするほど面白くない。
    理由は色々あるけれど、ひとつには、あまりに表現が稚拙すぎる。
    絵の上手い・下手については触れないが、要するに、登場人物の感情をモロに文字で書く以上の表現が、この漫画には何もない。
    小学生の作文じゃあるまいし、例えば漫画の主人公が「俺は今、嬉しいぞ!」とか「うおー!悲しいぜ!」とかしか言わなかったら、そんなもの、もはや表現とは呼べない。

    • 158
  2. 評価:1.000 1.0

    マニラの夕日が響かない

    今から五十年くらい前には、ロボトミー手術は精神科において普通に行われていた。
    脳に深刻なダメージを与える危険性が後にわかり、禁止された。

    こんな話がある。
    ある有能なスポーツライターの男が、妹夫婦と口論になって家具を壊して逮捕され、精神病質と診断されて、ロボトミー手術を受ける。
    結果、男は記事が書けなくなり、後遺症に悩まされる人生を送る。
    あるとき、世界的に名高いマニラの夕日を見て、自分の心に何の感動も湧かないことに愕然とした男は、自分がもはや人間ではないと絶望し、ロボトミー手術の問題点を知らしめるために、自分を手術した精神科医を殺そうとして、結果的に、その妻と母親を殺害する。

    私の知る中で、最も絶望的で悲劇的なエピソードのひとつである。
    何も、感じない。
    これほど恐ろしいことが他にあるだろうか。
    誇張抜きで、男は死_刑に処されるよりも残酷な運命を辿ったと思う。
    それをもたらしたのが、ロボトミー手術だ。

    私は、漫画に倫理も道徳も求めていない。
    闇金ウシジマくんをヒーローと考えるような人間である。
    しかし、仮にも「医療」の名のもとに、相手がどんな人間であれ、一方的に「クズ」と断じてロボトミー手術で人格を壊して解決を図るような主人公は、見ていて胸が悪くなった。

    これが「超能力」なら、まだ許せたかもしれない。
    SF漫画の悪役の行為なら、流せただろう。
    だが、ロボトミー手術は、多くの犠牲の上に禁じられた、医療の歴史における人類最悪の過ちのひとつだ。
    それをいとも軽々しく行使する人間を主人公とするような作品は、私はどうしても受け入れられなかった。

    • 67
  3. 評価:1.000 1.0

    勝手にしやがれ

    恋に落ちるのは簡単だが、愛を続けてゆくには努力が要る、と思う。

    その努力が出来ない、したくない、というならば別れるべきだ。
    別れないなら努力をすべきだ。
    どちらかだ。
    結婚は維持する、でも努力はしたくない、いい大人が、阿呆か。
    成績を上げたい、でも勉強はしたくない、という子どもと同じ、というか、それ以下だ。
    腐った根性で家庭にいながら子どもを育てているぶんだけ、大人の方が罪は重い。

    そんな、無責任を超越したような阿呆だから、「離婚してもいいですか?」なんてふざけたことを言う。
    勝手にしやがれってんだ。
    「はい、いいですよー」って誰に言ってほしいんだ。
    それすら誰かに決めてほしいのか。
    自分の人生の全て、誰かのせいにしたいのか。
    まったく、タイトルからして最低だと思う。
    だったら読まなきゃいいじゃないかって?
    そのとおりだ、私が間違っていた。

    だいたい、どういう読者にどういう感情を起こさせることを意図した漫画なのか。
    「あーわかる、うちの夫もこんな感じ、ほんと、離婚したいよねー」という読者の反応を期待しているのか?
    それを考えると、つくづく気持ちが悪い。
    虫酸が走る。
    漫画を読んでこれほど気分が悪くなったことは、多分ない。

    エッセイ風の描き方だが、どうもフィクションらしい。
    だったらなおさらタチが悪い。
    これがエッセイなら愚かなだけだが、フィクションなら、そこに愚かな読者を釣ろうとするあざとさが加わるからだ。
    そんな商売は、ほとんど邪悪と言ってもいいと思う。

    やだやだ。
    もう忘れよう、この漫画のことは。

    • 65
  4. 評価:1.000 1.0

    焼きプリン

    ネタバレ レビューを表示する

    先に言っておくが、私は本作にムカついているので現在いささか機嫌が悪く、かなり性格の悪いことを書く。

    登場人物をわざわざプリンだとかババロアだとかで表現しているのがアイデンティティーなわけでしょう。
    離婚というシリアスな物事をゆるい絵で描いてみたよ、と言いたいわけでしょう。
    だったらコメディとして機能していなければしょうがないと思うのだが、はっきり言って絶望的につまらない。

    こういう系の漫画に対して私が感じることは大体いつも同じだ。
    大人はもう少し自分の人生に責任を持て。
    夫がクズのような人間だった。
    はいはい、気の毒ですよ。
    しかしだ、何かを自分の意思で選んで失敗した責任を、全部誰かのせいにして生きてゆけるほど、私たちの人生はイージーモードではない。

    例えば、ギャンブルに大金をつぎ込むことを選んで失敗した。
    それって、そこまで同情されるか?
    「自業自得だ」ってならないか?
    結婚なんて、自分の人生を賭けた一種のギャンブルだろう。
    誰に強いられたわけでもない、義務でも何でもない、ただ、一人の相手に、自分の人生というチップを賭けて、そして、負けたんだろ。
    それが相手だけのせいなのか。
    競馬で負けて、責められるべきは馬なのか。
    私は何も、全てお前の責任だ、と言いたいわけではない。
    人生には不運もある。
    だが、運・不運に左右される物事を引き受ける覚悟がなければ結婚なんてすべきではないし、それに敗れたなら、百歩譲って、責任は二人のものであるべきだ。
    一方だけを悪者にするのはフェアじゃない。
    相手がどんなに酷い人間であってもだ。
    繰り返す、そのクズに賭けたのはお前だぞ。

    離婚直前、イケメンの医者になっていた初恋の人、じゃなかった、ケーキに出会って…という終盤の展開は冗談抜きで吐き気がした。
    ご都合主義だから、ではない。
    可哀そうな私にはこれくらいいいことあってもいいわよね、という腐った被害者意識が透けて見えるからだ。
    いい加減にしろ。
    お前なんか焼きプリンにしてやる。

    • 62
  5. 評価:1.000 1.0

    気分が悪い

    善人が破滅しようが子どもが犠牲になろうが首が飛ぼうが内臓が散ろうが、大抵の内容は「漫画の中のこと」として許容できるつもりだったが、これは駄目だ、気持ち悪すぎる。
    直接的な描写や囚人たちの造形の話ではない(だったらもっと気持ち悪い漫画は腐るほどある)。
    こんな形で子どもという存在を「使って」しまえる製作者サイドの神経が、気持ち悪いのだ。
    申し訳ないが、そこまでして漫画にしがみつきたいのか?と嫌味のひとつでも言いたくなる。

    • 38
  6. 評価:1.000 1.0

    お前は、負けたのだ

    ネタバレ レビューを表示する

    まず、復讐、というほどの復讐は、できていないです。
    むしろ、復讐は失敗した、という方が適切かと思われる。
    まあ、タイトルも「復讐することにした」であって「復讐した」ではないから、偽りとは言わないけど…普通、復讐したんだ、と思うだろうよ。
    実体験に基づく、だからなのかもしれないが、スカッとするような復讐劇を期待すると肩透かしを喰らうので、ご注意を。

    妻の不倫の現場に踏み込んだはいいが、相手の男に金がないから慰謝料は取れない、離婚しても親権は妻に取られる。
    まあ、現実はこんなもんだろうな。
    特に解せないのはラストで、子ども二人をろくでもない妻に取られつつ、「あの子たちなら大丈夫」って…何の根拠があるのか知らないが、無理に自分を納得させるような綺麗事には閉口した。
    大丈夫じゃねえよ。

    夫婦の別れに、勝ちも負けもないかもしれない。
    でも、主人公である夫に対して、私は思った。
    お前は、負けたのだ、と。
    妻に、というわけではない。
    強いて言うなら、二人とも負けたのだ、ということになるのかもしれない。
    しかし、いずれにせよ、お前は、負けたのだ。
    それを認めないでいるのは、何か、潔くないと思う。

    その妻を選んだという選択も含めて、自分が失敗したのだ、と認めないことには、本当に終わることも、始まることも、難しい気がするのだが。

    いずれにしても、わざわざ漫画という作品で読む価値を、私は全く感じなかった。
    これなら、ネットの掲示板に転がっている妻や夫の不倫の顛末の方が、不謹慎だが、よほど面白いものが多い。

    • 29
  7. 評価:1.000 1.0

    もういい

    申し訳ないけれど、「こういうの」は、もういい。
    今日もこの世のどこかで起きているっぽい、現実的っぽい、酷く不幸っぽい話を、「これが現実だよね、現実って残酷だよね、リアルだよね」と言わんばかりに丸投げする作品には、本当に飽き飽きしているし、心底うんざりしているのだ、私は。

    言っておくが、私は「嫌な話」は全く嫌いではない。
    「ブラッドハーレーの馬車」も「ミスミソウ」も「闇金ウシジマくん」も素晴らしい漫画だと思う。

    何でこんなにムカつくのか、正直、自分でもよくわからない。
    多分私は、人の傷や痛みにろくに向き合ってもいないくせに、それをわかった顔で描こうとする大人が、許せないのだろう。
    描かれる対象が子どもである場合は、特に。

    • 28
  8. 評価:1.000 1.0

    「お約束」の限度

    ホラーには色々と「お約束」がある。
    なぜか逃げ場がないところに逃げ込む、
    車で逃げようとするとなぜかエンジンがかからない、
    「すぐ戻る」と言ってなぜか怪しい物音を確かめに行く、エトセトラ。
    そういう全てにいちいち突っ込んでいたらきりがないから、観る側も暗黙の了解として許すのが「お約束」なのだ。
    しかし、観客・読者が許せる「お約束」にも限度があるのだということが、この漫画を読むとよくわかる。

    • 22
  9. 評価:1.000 1.0

    これは漫画だから

    漫画なので、やはり、「絵」と無関係には評価できない。
    絵の上手い・下手を語れる立場に私はいないが、どう考えても作品に「合う絵・合わない絵」は、ある。
    そういう意味で、申し訳ないが、致命的だと思う。
    この絵柄のおかげでホラー味がちょうどいい具合に緩和されて…なんてフォローはする気にならない。
    例えば、青山剛昌の絵で「スラムダンク」は成立しない。
    鳥山明の絵で「闇金ウシジマ君」は成立しない。
    荒木飛呂彦の絵で「名探偵コナン」は…嗚呼…ちょっと読みたい。

    • 19
  10. 評価:1.000 1.0

    少年よ、緊迫しろ

    ある日、唐突に「50年前」の村に迷い込んだ少年が、兄と連絡を取りながら脱出しようとするのだが、という話。

    方向性としては「サイレン」というホラーゲームみたいな感じを狙ったのかもしれないが、信じられないほど面白くない。

    何しろ緊迫感のなさが異常である。
    タイムスリップ、どうやら村は間もなくダムの底に沈む、村では訳のわからないかくれんぼをやっている、袋をかぶった変な男が歩いている、などなど、ヤバイことだらけなのに、何ひとつ、ヤバい雰囲気がない。
    「お前らもっと緊張感を持ってやれ!」と私は、上司が部下に感じるような苛立ちしか覚えなかった。

    漫画を読んでいると、ときどき、商品として流通していることが信じられないような作品に出くわすが、本作もそのひとつであった。

    • 12
全ての内容:★☆☆☆☆ 1 - 10件目/全18件

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