2.0
フィクションとしての一例
何人かのレビューでも指摘されていますが、題材の真新しさ、ハッピーエンドばかり、熱い主人公な点は、少年漫画としては良い点だと思います。
でも何かなぁ、空回りしているんですよね。
一方で、職員さんたちのあの軽い反応はリアルです。
私もこの漫画でいう、サバイバー(虐待からの生還者)です。
何度も病院に担ぎ込まれて、食べ物も衣服も入浴も与えられず、暴力も振るわれ、性的にも危機的状況でした。
でもこんな人、どこにもいませんでしたよ。
助けを求めても親の説明だけ信じて、保護なんてしてくれません。
虐待されてるかもしれないけど、あなたがいなくなったら、今はお姫さま扱いされてる妹が虐待されるかもしれないから、我慢しなよ。だって。
18で友人に手伝ってもらって逃げ出すまで、何人ものスクールカウンセラーや教師、市の相談員に助けをはね除けられました。
どこかにいるんですか?
どこにいるのでしょう?
どこかには、いるのかもしれませんね。
虐待を知らない人には、のりもいいし、ハッピーエンドだから読みやすいと思います。
サバイバーの私にはちょっと無理でした。
理由なく子を虐待する親は存在するし、子を殺しても許される!と心から信じている親も存在するし、
逃げ切れずに殺された子も、脱出できても一生消えない傷を負わされた子も、親を殺したいほど憎んでいる子も、日本にだってたくくさんいます。
綺麗なお話が好きな方はどうぞ。
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