5.0
切ない
この作家さんの作品は全て読んでいますが、結構超人的な主人公や現実味のない世界観で惹き付けられていたので、今回はドキドキしながら読みましたが…感動。普通の人間が主人公でも、こんな素晴らしいお話が作れるなんて、流石天才!「子どもに大人の仕事をさせてはいけない」使ってます。めちゃくちゃ名言です。際立った個性のない人々の人生がこんなにドラマチックに描けるなんて凄い。人間て、生きているだけで凄いことなのかも。明日も頑張ろう、と思います。
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この作家さんの作品は全て読んでいますが、結構超人的な主人公や現実味のない世界観で惹き付けられていたので、今回はドキドキしながら読みましたが…感動。普通の人間が主人公でも、こんな素晴らしいお話が作れるなんて、流石天才!「子どもに大人の仕事をさせてはいけない」使ってます。めちゃくちゃ名言です。際立った個性のない人々の人生がこんなにドラマチックに描けるなんて凄い。人間て、生きているだけで凄いことなのかも。明日も頑張ろう、と思います。
3姉妹の父は女をつくって蒸発、母も祖母に子供を預け出ていったのち、父は腹違いの妹、更にその後再婚した2人の子持ち後妻を残し死去。複雑な人間関係から始まりますが、テンポの良さと巧みな人物描写でスラスラ読めます。
一番好きなのは、3姉妹の長女、幸さん。テキパキイライラしててクールな看護師だけど、きっと子供の頃から頼りにならない両親を見ながら、必死で妹を守って育ててきたんだなあって感じる。
浅漬けが浅すぎて三女が醤油かけるのを怒るくだりなんか、たった数コマさらっと描かれてるだけだけど、ああ、幸さんは妹がちゃんとした大人に成長できるようにずっと考えながら生きてきたんだ、体のことやしつけのこと・・・ってグッときます。そう考えると、看護師って職業も彼女らしいし覚悟を感じる。
3話目くらいで腹違いの妹と今の後妻にかける言葉もほんとに深くて、気づいたら泣いてました。でも決して重い話じゃなく、明るく軽く描いてるのがすごい。
吉田先生のマンガ、子供の頃よんでたなあーーほんとに懐かしい。やっぱりいい。
無料のエロマンガ漁りで荒んだ心がやや浄化されました笑
本屋さんで見かけて面白そう、と思っていた作品だったのを思い出して読み始めました。複雑な家庭事情と登場人物が多いので、この人は誰?と何回か戻って読んだりしました。普通の人の特別なことは起こらない日常生活を描きながら、感情の機微を上手く描いてあります。
三姉妹の異なる性格の描写も秀逸です。
幸さんの「子供に大人の仕事をさせてはいけない」の言葉は今子供を育てる人にとっては明言だと思います。子供には、その年齢に合う仕事があり、大人になることを急かしてはいけない、そういう人のしての本質を見極めている人に巡り合ったのは、家族運に恵まれなかったすずちゃんにとって最大の幸運だったと思います。現実の社会は、こんなに良い人ばかりではないですが。
3姉妹と腹違いの妹が、父親の死によって出合い、一緒に暮らすようになるお話です。
時間の経過による登場人物たちの心の動きが、季節のうつろいの様子とともにとても丁寧に描かれています。
彼女達の親にあたる人物が何人か出てきますが、その誰もが弱さやずるさや身勝手さを持っていて、それに子ども達が幼い頃から振り回されます。
彼女達がそれぞれ大人になって、親たちが何を考えていたのか、今の自分は何が心に引っかかっていて親と向き合えないでいるのか、1人1人の考え方も違います。
そして身勝手な親でも、不器用な優しさを持っていること、十分ではない量ではあるけれど親としての愛情を持ち合わせていたことに気付き、それらを受け止められるようになります。
それでも彼女達なりのスタンスで向き合っていく様がとても素敵だと思いました。
特に梅酒のお話がとても好きです。
言葉やセリフが無くても、その行間に他人の気持ちを汲み取る場面も多く、その考え方や返答にいちいち感動したり共感したりしました。
大人も子どももそれぞれの考えをしっかり持ち、そのやりとりや関わりの中で新しい発見があったり人を思いやったり、人として成長が描かれていてよいです。
子ども達だけではなく大人達も、家族の中で、社会の中で、歳を取って(成長して)いく中で、悩みや家族の問題が出てきます。
それらを実に淡々と、でも誠実に向き合う様子がとても素敵で、3姉妹も末っ子のすずもそれ以外の登場人物たちも皆それぞれ個性的で魅力的なのですが、それらを無理なく物語に紡いでいく作者様の才能が見事だと思いました。
バナナフィッシュとは全く違う魅力の、これまた名作でした!
ドラマチックなストーリーというわけではありませんが、優しさがじわじわ広がって安心するというか、心にしっくりくる作品に出会うことができて幸せです😊
無料分で読み始め、面白くてどんどんハマってしまいました。
すずや香田3姉妹を中心に、それぞれの人間模様や心情が丁寧に描かれていて、読んでいて穏やかな気持ちになったり、じーんときたり、考えさせられたり…退屈しない作品だと感じます。
風太とすずの関係は何だかほっこりしてしまって、一読者として見守りたくなりました笑
ポイントで続きを読んでいきたいと思います!
さすが天才吉田先生です
一見淡々としているようですが、激しく泣かされるとまた安堵させられたり、ところどころ笑いもあり。
繊細な感情の描写がすごいです
これはそうとう他人を観察しないと描けませんよ。「人間」がとことん好きなんだろうなと思います。
すずと風太の今後を想像すると温かい気持ちになれます。あと弟の近況も最後に知れてよかった。
もう2度と会わないかもと思うとせつないけど、支えてくれそうな彼女らしき方の存在もあったので大丈夫そう。幸運を祈ります。皆お幸せに!
bananafishは悲しい最後だったから、これは、ハッピーな話でよかったわ!
アクション、大きな刺激的なシーンがあるわけではない作品です。
淡々と進み、静かに流れるように感じる作品。
でも、家族、人間模様、人の感情、別れ…人がそれぞれ抱えていることを静かだけど、炙り出していくような気持ちになってきます。
四姉妹を通して見るフィルターがなんとも言えない気持ちになってきます。
父を奪ったはずの女性の子であるすずを引き取るというのは上3人の姉達も複雑だったのでは…と思うのに、情景を読ませてくるのがうまい作家さんだなと感じます。
始めの頃、父のお葬式の出棺の喪主のあいさつのシーンがあり、中学生であるすずにまわりが代わりにさせようとするシーンがありましたが、1番上の姉である幸がそれは大人の仕事で、しっかりしているからといって、子供に肩がわりをさせてはいけない。子供であることを奪われた子供ほど哀しいものはないと言って止めてくれていました。
子供の頃、よく大人がやるべきだったことを何故かやらされたなと思ったことがあったので、言語化されたような気持ちになりました。
そのシーンを読んだ時に続きを読もうと思う気持ちになりました。
個人的には風太とすずの関係も中学生っぽい感じが可愛くて好きです。
淡々と、事件はあれども淡々と、日常を描いているだけなのに、なんでこんなに涙が出てきて止まらないんだろう。それはすずと姉達のおいたちに、多田くんの脚に、とても言い表せない哀しみがあるからで、それでもみんな前を向いて生きていて、初めの10話程度しか読んでいないけれど、コミックス買いました。買わずにはいられなくて。もうおばさんだけど、こういう気持ち、忘れちゃダメだなって。うまく言えないけれど、とても大切なものが詰まっている作品だと思う。やっぱり吉田作品。やっぱり天才。
映画から入りましたが、原作はもっとら長くて広がりたくさんのエピソードがあって面白いです。
すずが三姉妹と戸惑いながらも家族になっていって、それぞれのお話もあり、どんどん読み進んでいます。
素晴らしい作品。
特にネームが素晴らしく、頷くばかり。
「人は信じたいものを信じて、見たいものを見るのよ。別の何かがあるだなんて思いもしないのよね。」だったか……??
当たり前のように思えるが、言われて至極納得。
家族の在り方、親子、姉妹、兄弟、親戚、隣人、友達、恋人、仕事、様々な角度から丁寧に確信めいた筆力で描かれている。
四姉妹がそれぞれに個性があり、誰かしらコミットできる。
美しく豊かな四季も感じられる傑作品。