3.0
ネタバレ注意です。
「見えない悪意(全2話)」を読んだ感想。
重いテーマのわりに後味がよかった。
たぶんそれは主人公の人柄によるおかげ。
主人公・歩が人並み以上に強く、人並み以上にやさしいキャラだったからこそ。
だからラストは相手を許せたし、
あんなふうに言ってあげられたと思う。
「歩が人並み以上に
強くてやさしいこと」は
「歩が何をされても
平気で傷付かない」ということではない。
「強い人は傷付かない」とはならない。
強い人だって傷付くときは強くない。
弱いときは弱くなる。
心は傷だらけかもしれない。
ほのかが感じた「かわいそうという理由でグループに入れてもらう気まずさ」は、気持ち的には分からなくもないんだけど…。
だからって入れてくれた側を恨むのはなんか筋違いに感じる。
それならいじめた人たちの方がよっぽどひどいことしてたはず。
そこはなぜかスルーだった。
実際はたった1人が言ってる悪口であっても、まるで匿名の大勢から攻撃されて、それが世界中の総意のように錯覚させられるのがいたたまれなかった。
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