5.0
無駄がない
無駄な話、登場人物が何一つない、誰一人としていません。
最初から最後までが全て一本の糸で繋がっており、読み終わったあともう一度最初から読み直したくなる、そんな作品です。削る場所なんて何一つない。
良作、名作といった言葉では語る事の出来ない程作り込まれたストーリー、人間から妖怪にいたるまで全てのキャラが魅力的(いいか悪いかは別にしても)
これほどまでに引き込まれた作品は今まででも数少ない程に、私の中で大きな作品の一つです。
うしおととらの関係も、友情とかライバルとか相棒とか戦友とか、たった一つの言葉ではいい表せない。
どれもしっくりこなくてどれもしっくりくる。
藤田先生の画力も素晴らしく、好みが分かれる画風ではありますが表情の表現力は間違いなく素晴らしい。時に恐怖さえ感じるあの迫力は藤田先生にしか描けないものだし、うしおととらの世界観により強く引き込まれる要因の一つなのだろうと思います。
さらに見事なのは伏線の回収。中途半端に放り出す事もせず、初期の伏線を最後には見事に回収してくれる様は見事としかいいようがありません。
私の頭が残念なばかりに初期に出てきたキャラが後半で出た時「だれだこれ」となる事はよくあるのですが、この作品に至ってはそれがない。全ての話を覚えている。それだけ描かれ方が見事なんです。
絵で食わず嫌いを起こしている方も、本当にこれは最後まで読んでほしい。
読み終わった後絶対に後悔はない作品です。
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