5.0
夢中になって読んでしまった。
女が男に抱かれることに対する価値観が変わりました。愛情とか恋情は勿論とても大切な要素だけれど、綺麗事抜きで女の身体は金になる。そんな大人の夜の世界を見せてもらいました。
桜子の父親は最低でしたが、母親の気持ちは、同じ女として痛いほどわかります。女親が男親よりも深く子供を愛しているのは、女の情が男よりも深いから。母親である佳代はそのせいでたくさん失敗しましたが、娘である桜子には、自分を超えて、独りでも強く生きていける人になってほしかった。ホステスにとって、パトロンや客を上手く操るのも、自分の力で強く生きているということ。
私は、桜子が結婚により夜の世界を引退した結末には納得です。ネオン蝶として大きく成長し、自分の店を持った彼女は、もう十分に佳代の意志を果たしている。しかしそこで終わっては、佳代や節子、他のママ達と同じ人生の繰り返し。クラブのママで終わらず、自分の家庭を築いたことは新しい時代への幕開けともいえるでしょう。相手が俳優だという点でも、母親を超えて自分の幸せに向かって、ネオン蝶から大きく羽ばたいたといえるのではないでしょうか。
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