流石
私はこの作者を結構支持していて、現代における犬木加奈子の再来なんじゃないかと思っている。
長編でも連作でもない、まるっきりの短編を読んだのは初めてだったのではないかと思うが、流石であった。
ホラーにおいて、人間、特に子どもの「入れ替わり系」というのはひとつの話のパターンとしてあるのだが、それを綺麗にひっくり返して、狂気の所在を落としどころにもってくるその様は、シンプルながらもパリッとしていて、「これぞホラーの短編」という趣があり、満足であった。
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4.0