3.0
伏線が長い
とんでもない状況から三人で旅を始め、主人公に隠された秘密と三人の背景を紐解いていく話なのですが、60話まで読んでようやく真相がはっきりします。
主人公は世界の破壊と再生を司る神で、契約により神力を三種族に渡し自らは人間を見守るはずが、記憶を失って竜王に軟禁されていたのが始まり。力のない黄昏の竜として幼馴染み二人にコンプレックスを抱きながら育ち、ようやく手にした儀式の役割も果たすことができない。幼馴染みの一人は枯れた枝として同じ落ちこぼれだったはずなのに、彼は努力の末に才能を開花させ遠くに行ってしまった。もう一人は竜王の跡継ぎとして自分を保護しようとするが、どうも傲慢で自由を認めない。今まで関係のなかった魔族は自分の意思を尊重してくれるものの、素性がはっきりせず掴み所がない。主人公が振り回されてるのか振り回してるのかよくわからない珍道中で、下界で知り合った人間の皇帝はようやく話ができる人物。物語全体の錨として、混乱を極める主人公に座標を示してくれる。ループを繰り返す中で三人と自分のことを理解していく一方で、夢と思い込んでいた世界の破壊と再生の責任も重くのしかかっていく。夢の終わりはどこなのか。自分にとっての現実の証とは。
絵が綺麗でなければ読み進められなかっただろうなというレベルのぶっとんだ話でした。
- 1