4.0
ありきたり設定でも読者を掴むパターン
配信されている35話まで読みました。
まさにタイトル通りの一見ありきたりな設定にも関わらず面白い理由の一つは、
序盤の掴みの良さにあると思います。
偽聖女の汚名を着せられて婚約破棄されるだけの可哀想なヒロインだけではあまりインパクトがないですが、とんでもない馬鹿二人を登場させた。その相乗効果で、主人公エルヴィラは読者を一気に味方につけるというパターン。
そして、聖女エルヴィラの立場を奪った新聖女ナタリアが、まさに女が嫌う集大成であること。
そのような女の敵を新しい婚約者に据えたアレキサンデル王も程度が知れるわけで。
ここで完全に、読者にとって嫌われキャラになった二人。
次に、エルヴィラの前でしたり顔の馬鹿な二人の前に登場するルードルフ皇太子が読者をスカッとさせます。
ナタリアの誘いに対して、
“名前で呼んでくれるな、以後話しかけるな!”とピシャッと一蹴。
読者の嫌われ者二人に恥をかかせ、エルヴィラの窮地を救ったルードルフ皇太子は、ヒーローとしての株が爆上がりします。
それらの序盤の掴みがわかりやすくて非常に良かったと思います。
ストーリーが進むにつれ、エルヴィラを迎えたゾマー帝国は干バツが解消されたり、乙女の百合の花を咲かせた聖女に国民が祝福ムード一色になり、ルードルフ&エルヴィラ夫妻の関係も見所の一つですね。^_^
その一方で、エルヴィラが国を去った直後から大災害続きで国民が苦しくなっていき、アレキサンデル王&ナタリアは乙女の百合の贋作で国民を欺くなどして、とことん堕ちていきます。
ゾマー帝国の神殿で、エルヴィラが聖女認定された時の神官の言葉。
“清らかがこの世を巡り、汚染された悪魔があの世を巡る”
まるでこの二組のカップルを象徴するような表現に感じました。
他にも魅力的なキャラが何人も登場しています。
港町をしきっているユゼフは男気があって良いですね。
最新話は、贋作を作らされた生き証人であるじいさんの救出の際、ユゼフに情報を流した謎の男レオンが登場!
あの金髪ピアスバンダナ姿から推察するに、エルヴィラのお兄さんではないかと。。
今後はユゼフ、レオン、エサイアス様あたりのサブキャラの活躍の場が増えていくのかなと期待しつつ、偽ナタリア断罪&王失脚へのカウントダウンも楽しみです。
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