5.0
まさに死狂い
御前試合の主催者、駿河大納言(「長七郎江戸日記」の松平長七郎のお父さんですね)が首を打たれるショッキングな幕開けからの、この「駿河城御前試合」で死んだ者、負傷した者、そして生き残り(ほぼ居ないが)の数が読み上げられる不穏な冒頭モノローグは、サド侯爵の未完の大作発禁小説「ソドム百二十日」さながら。
てか、西に「ソドム」があるなら東に「駿河城御前試合」ありと言っても過言じゃない、強烈な毒と性癖とゴア表現のカオス煮みたいな残酷小説を、「覚悟のススメ」の人がコミカライズして面白くない訳がない。「お前ら最初から生きて帰る気ないやろ」と突っ込みたくなる登場人物の壊れっぷりは、「そして私も消えよう、永遠に!」とか言っちゃう某国民的RPGのラスボス的アトモスフィアさえ感じられます。まさしく死狂い。虎眼とかね……もう完全にイってしまってますからね……。
最早武士道とかを越えて、何かの彼岸に到達してしまった剣士達の地獄の死闘、ゴア表現が大丈夫なら一読の価値ありです!
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