5.0
懐かしのミステリー漫画
小学生の頃に読んだ高階良子先生の作品の中でも特にお気に入りです。
一見仲良しに見えるいとこ同士の聖子と育ですが育の潜在的な能力の高さを見抜いていた聖子による嫉妬が怖い、身近に置いて愛情という名の監視をしながらの育のやることなすことに嫌味たっぷりの禍干渉。
学園の女王様の聖子は特別に自分だけのサロンを持っていて毎日取り巻きを集めてピアノの演奏を披露して悦に入っています。
育はいとこでありながら一見地味で引っ込み思案で要領も悪く聖子の家来の様な冴えない女子高生です。
ピアノの演奏中に天井から降ってきた濃硫酸を顔に浴び窓から転落死してしまう聖子
さん。
育は長年自分を愛情というまやかしで抑圧してきたいとこが死んだ事で精神のバランスを完全に壊してしまいます
聖子が憎い本心を抑え続けて来た事と聖子の死を止められなかった事実に耐えられなくなった育はついにとんでもない行動に!
自らが愛し憎んでいた聖子になりすまし学校内で幽霊騒ぎを起こします、育に目を掛けていたイケメン生徒会長が挙動不審な彼女に疑惑の目を向けます、少しずつ核心に迫って行くうちに死んだはずの聖子からサロンへ招待の電話が掛かって来ました。
様々な証拠を集めて彼は確信します
聖子を殺した真犯人と聖子になりすましたのが誰なのかを。
聖子の親に深い恨みを持つ女子学生が復讐の為にサロンのシャンデリアに濃硫酸を仕掛けていました事が発覚し
元々二重人格の兆しがあった育は完全に聖子になってしまいます、聖子になれば憧れの会長に愛されると思い込んで愛の告白を会長にするのですが自分の正体がバレてそのまま失神してしまいます
意識を取り戻した育は全ての記憶を取り戻しもう一度人生に向き合う勇気を得ます、最後は会長の愛情に支えられて元気に美しく本来の姿を取り戻した育でした!
学園物のミステリーとしても何よりこの当時二重人格を扱った作品があまりないのでそこに少女漫画のエッセンスを加えてかなりの読みごたえのある内容です。
- 5