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雪の世界の意味が深い
生まれつき耳が聴こえない雪が出会ったのは、さまざまな国にを旅している逸臣。
電車の中で助けてもらったのをきっかけに知り合った二人は、同じ大学の学生でした。
電車でも、大学でも、雪に対して物怖じしない逸臣は、雪の世界に入れて、と伝えてきて、雪は逸臣のことが気になってしかたがなくなってしまう。
雪はこれが恋だ。と、落ち着かない日々をおくりながら、逸臣に頼まれて手話を教えることになります。
しかし、逸臣のことをよく知るイトコは、逸臣が雪にかまうのは、新しい世界を知りたいだけなのではないかと心配する。
それは、逸臣の夢が、色々な国のことや世界のことを知って、海外の学校で子供達に勉強を教えることだからだ。
始まりそうで始まらない恋は、まるで降り積もる雪のようで、静かにゆっくりと進んでいく、刺激がほしい方には向かない内容。
セリフなどがよく考えられていて、逸臣が雪をどう思っているのか、やきもきしながら先を読みたくなってしまう。
初々しい雪が緊張したり、恥ずかしがる姿に心が温まる。
雪の視点で語られるところが多く、耳が聴こえないということで生じる遠慮や純粋な疑問にも、ハッとさせられる物語。
グローバルな視点をもった逸臣に、雪が強く惹かれる気持がわかる。
これからは、もっと逸臣の雪への気持が描かれるのを期待してしまう。
障害を含んだ作品としては深刻さはなく、恋愛漫画として楽しめる一冊です。
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