5.0
ネタバレレビュー長くてごめんなさい。
作家さん買いですが、正直、同じ女としてヒロインに共感できない部分もありました。
でも、あらすじに北川みゆき渾身の と書かれているだけあって、ストーリーも各話のタイトルの意味も深く、北川先生のセンスの良さを感じました。
主な登場人物は5人。
宮野藍 26歳の美人のヒロイン。誰に告られても断っているとか、仕事が恋人みたいだと噂されている。子供の頃に事故で両親を亡くす。
蘇芳香平 藍と同じ会社の同期で女子社員にモテる。酒の勢いで藍と体の関係になる。その場限りのはずだったが、だんだん藍に惹かれていく。
朱鷺島渉 財閥の御曹子で、藍とは幼なじみ。学生の頃から藍を好きだが、藍の想い人を知っている&友達としての関係が壊れるのが怖く未だに『好き』と言えずにいる。タカオのバーの常連客。
浅岐タカオ 藍の弟の先輩。ゲイであることを隠しバーを営むバーテンダー。過去に藍と肉体関係になるが、藍の弟を愛している。
宮野翠斗 藍の3歳年下の弟。高校生の時、同じ弓道部の先輩タカオが男と抱き合っているのを見たのがきっかけでタカオと友人に。
一見、短編?ともとれる各話のタイトルですが、繋がっている話で、男性陣からのヒロイン藍への想いやイメージが副題となっています。
セフレ、幼なじみ、ゲイ、実の姉弟。
力量のない作家さんがこれだけのテーマを一つの作品に描いたら、もうお腹いっぱいになりそうですが、大ベテランの北川先生だからこそ上手くまとまっているように思います。
男性陣目線で話が進んでいますが、まだ見えてこないヒロイン藍の本心や結末が気になりすぎます。
個人的には、藍のそばにいたいために自分の想いを諦め、ただ純愛❤すぎる朱鷺島さんと結ばれてほしいって思います。
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