5.0
それは、革命だった
当時、中学生で少年ジャンプを読んでいた私たちにとって、この漫画が与えた楽しさと衝撃は、尋常ではなかった。
ジャンプの発売日の翌日、私たちは登校すると、真っ先に今週号の「マサルさん」について話した。
同時期の連載に「スラムダンク」も「ダイの大冒険」も「るろうに剣心」もあったのに、何よりも「マサルさん」について話した。
シュール・ギャグ、ナンセンス・ギャグ、呼び方は色々あるのだろうが、「マサルさん」の破壊力はあまりに斬新で、それは、私たちの世界にあった「笑い」のあり方を、すっかり変えてしまったのだった。
それはほとんど、革命だった、と言ってよい。
そんな漫画を、他に思いつけない。
私は、あるいは私たちはもう、十年以上、「マサルさん」を読んでいない。
しかし、今でもときどき、妻が私に、この漫画の言い回しを真似て語りかけてくることがある。
革命、というのは、そういうことである。
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