3.0
あと一歩……
ルネサンスの時代に画家として生きることを志す女性の物語。
時代背景の書き込みがしっかりしていて、その時代に女性が自立することの大変さ、それでも自立を目指す主人公アルテの意思の強さなどがしっかり描けていて、好感の持てる作品です。
……が、個人的には、少し惜しい作品のように感じます。
この作品のテーマは、ルネサンス期の女性の自立、絵画、そして……恋愛(?)になるのでしょうか。
全てにおいて、もう一歩深掘りしてほしいところで、すっと話題がずれてしまうもどかしさがあります。
女性の自立がテーマにしては、アルテの自立はあっさり上手く行きすぎる。
絵画がテーマなら、折角ルネサンス期なのですから、もっと緻密にその良さを伝えてほしい。特に描き手としてのアルテの苦労や工夫、感性を見せてほしいところです。
『お客さんのために描く⇒それで良し』 ではなく、アルテが自身のために描いていた風景と、どこをどう変えて良しとなったのか。しっかり描き込んでくれないと物足りない。
恋愛パートは……現在42話まで読み進めていますが、『これ要るの?』 と首をかしげざるを得ません。
恋愛がメインならもっとさっさと恋に落としてそれからジレモダさせれば良いし、一方でスッパリ諦めて画家としての自立をとるなら、あそこまで恋愛にコマ数を割かなくても良いんじゃないでしょうか。
読んでいくと、そうしたもどかしさがドンドン溜まってきてしまいます。
アルテがどのような生涯を送るのかは気になるものの、そのためにこの長い話を課金してまで読むかは、個人的には迷うところです。
- 8