5.0
圧巻です
一点を除いて史実に忠実で、それでいてとても面白い作品です!こういうことができるのは萩尾先生の実力です。目先の読者受けを狙って安っぽい創作まみれの作者さんが多い中、さすがです。
王族に生まれて天寿を全うするのが如何に大変か、家族といえども命のやり取りをせざるを得ない、親子の愛さえ吹っ飛ばす過酷な現実を改めて思い知らされました。
マルゴは泳ぎ切ります。持てる才知と美貌の全てを出し切り、時にはプライドを捨て。
唯一の創作(ネタバレになるので内容には触れませんが)は、幸い薄かったマルゴにへの作者からの贈り物なのかもと感じました。
「お姫様」といえば羨ましい存在ですが、親兄弟に怯えることもなく普通に生きていける庶民が一番かもと思いました。
- 5