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病院の日常
私もまだペーペーですが看護師です。
病院には本当にいろんな患者さんがいらっしゃるので、今まで出会った患者さんと重なる部分も多くてくすっと笑ってしまいました(^^)
人と人との関わりなので対応に悩む場面も多いですが、作中参考になる部分もありなるほどと読ませていただきました。清田さんの娘さんには、私だったらとっさにあんな風には声かけできなかっただろうなと思います。作者さんの言葉に娘さんも救われたのじゃないかなと思いました。
この作品はターミナル病棟のお話ですが、今はどの病棟も高齢者ばかりで認知の方も本当に多くなりました。気分に波があるので、人が変わったようになる様を見るとご家族はびっくりされます。抑制は基本的には家族の同意がないとできませんが、手が出て足が出てと手がつけられない場合は事後承諾で行う場合もあります。妊娠中のお腹を蹴られた同僚もいました(^_^;)
ご家族と接する中でいろんな人間模様も見えます。子供は親の育てたように接するというのは真実で、ご家族の方に連絡を取っても「関わりたくない。」「死んだら教えてください。」などの返答をいただくこともありました。久しぶりに見えたと思ったら、着替えだけ置いて五分後書類を届けようと訪室するともうすでにいらっしゃらないときもありました。
反対に、自分が面倒を見なければと頑張るご家族もいらっしゃるため、1人で抱え込まずに頼れるところは頼って欲しいと思います。
最後に、どの患者さんにも言えることですが、皆さん必ず「うちに帰りたい。」と言います。中には「死んでもいいから。」などと懇願されますが、特に寝たきりの患者さんのご家族は「とてもうちじゃ見きれない。」と言われ、結局病院で亡くなりました。正直、病院にいても積極的な治療は何もせず死に向かって日々が過ぎて行く患者さんは、できることならば状態が安定しているうちにおうちに返してあげるのが本人と家族のためだと思います。できればお看取りもおうちの方が幸せなのじゃないかなと。たとえその日のうちに救急車で戻ってこようが、痰が詰まって急変しようが、病院の天井をあるいは壁を見つめる日々を過ごすより患者さんの満足度は高いと思います。
この様な患者さんの意向が叶うことはとても少ないです。やはり最後はご家族の意志です。
全ての患者さんが、最後まで少しでも安らかな日々を過ごせますように。長文失礼しました。
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