【ネタバレあり】その女、ジルバのレビューと感想

40過ぎた女性が出会った道標

主人公は40代独身女性。恋から遠退き、年齢と共に華やかな売り場から倉庫へ部署移動させられ、この先の人生に暗いイメージしか持てない日々を過ごしていました。
ある日、飲み屋街の奥まった路地に「高齢女性ホステス募集」の張紙を見つけ時給の良さに引かれ働き始めます。
人生経験豊かなお婆ちゃんホステスは皆パワフルで個性的。
そして女性らしく上品に着飾り、大きな優しさに溢れています。
そして、人生に希望を見いだせず半ば諦めお洒落もしなくなった自らを恥じます。
亡きジルバママの人生が少しずつ語られるうちに主人公の心情が揺れ動きます。
世界は広く、視点を変えるだけで希望は思わぬ所に転がっているのかもしれない。
読んでいて主人公を応援したくなります。
前向きになれる漫画です。

温かい盛り場

昔、別なサイトで読んだ内容が無料掲載されていたので、久々に読み直しました。

４０代を迎え、人生斜陽と感じる日々の中、転職で新しい生き甲斐を迎えた女性のお話です。
「たそがれ、たかこ」っていう漫画と少し展開が似てますが、こちらの方がよりシンプルでポジティブな感じです。

出てくるご年配ホステスさんたちがみんなキャラ立ちしてて、おもしろく、魅力的です！
作者さんの実体験なのか、それぞれのおばあちゃんホステスさんの細かい言動まで、丁寧に描いています。

途中お店の創業者？の女性の物語があったり、震災後福島に関するエピソードもあったりと、色々なお話に涙が。^_^;

なんとなく自分もお客として入って、接客されて癒されたいなぁと感じるお店でした！

ちなみに絵は適当で雑です。
でも余白があって、色々な人の心に寄り添ってくれる絵です。

ひきこまれる

無料分だけのつもりが少しずつ読んでいき、結局最後まで読んでしまいました。
本場女子校まにゅあるの頃から考えると絵が変わってない部分もあり懐かしく思います。
絵が云々とか仰らず少し、もう少しだけ読んでほしいなぁと思う作品です。
人の人生の様々な出来事、生きること、生き様。
悲惨極まりない出来事を押し付けがましくなく考えさせられる描きかた。
けれどほっこりさせてもくれる、むしろほっこり癒される。
もう少し踏ん張ってみよう、乗り越えていってみようかなとつい思わせられる。
もう少しママたちの人生を見たかったなあ。

40になって自分を振り返り、冷遇されてる現状から立て直すような話。
まだ途中ですが、何かできることを探してるとき見つけた看板、
どうせ40歳未満でしょと思ったら40歳以上を募集する看板。
入店して見たら自分ではもうだいぶん歳食ってると思ってたのに
ギャルだの若すぎるだの言われ、嬉しいやらニヤけるやら・・・

すごい共感しました。そして応援したくなります。

背景の歴史が面白い❗️

50年以上生きてきて、振り返れば色んな事が変わったなあと思います。私の学生時代は、女は高校を卒業したらOLになって、良い人を見つけて結婚して子どもを産んで育てて老後は孫の面倒を見るのが普通の女の幸せというのが常識でした。ところが今は、そんなことはなくて、多様な価値観の中から自己責任で人生選んで、でも自由な様で息苦しさを感じるそんな時代と感じます。ジルバの生きた時代、アララの生きてる時代、いつも結局は生きてる国や政治に翻弄されてる。今も、そうですよね。
この漫画を読んでいて、その時代の情勢に不平や不満を感じたり逆に達観して時代を見下すんじゃなくて、「この女ジルバ」の女たちのように理不尽な事に翻弄されても、自分を愛おしみ仲間との繋がりを大切にして、強かに生きていきたいなと思いました。ジルバの思い出と共に語られるブラジルに移住した日本人の運命をこの漫画を読むまで知りませんでした。機会があれば、日本人移住ブラジル史を、もっと知りたいと思いました。

ほっこりしたい時に

まだ20話までしか読んでないのですが･･･おミズまんがですが、イケメンホストや毒気たっぷりのホステスは出てきません。高齢ホステスしかいない酒場に、会社から"姥捨て"され、減った収入の穴埋めの為に新人ホステスとしてやってきた独身ぽっちゃり40歳が主人公です。人生経験豊富な高齢のホステス達、今は亡き創業者で限りなく大きなハートと肝っ玉のジルバさんの逸話などあたたかい思いやりに包まれて、主人公は人生を楽しめるよう変わっていきます。へこんだ時に読んだら元気をもらえそうな作品です。

生きるということ

戦時中のどうにもならなかった辛いエピソードもありますが、あららや元同僚達が左遷先を辞めて生き生きしている姿や平均70歳のマダム達の姿やエピソードに元気付けられました。とは言うものの、心身不良な私の現実は変わりませんが、悪い事ばかりじゃないって思えます。
そして、戦争は皆を不幸にします。平和の有り難さについても再確認しました。専業ホステスのあららに期待です！

自分と重ねてしまってます。

初めは現在ドラマから知りました。最近漫画からドラマ化ってのが多いのでもしかしたら？と思い探してみるとあったので読んでます。主人公との年代が同じで考え方や友達の家庭事情など自分と思い当たる所があって興味深く読んでます。他人事では無い話だとしんみりと読み進むのですが…でも最後はなんかスッとした気持ちになるので良いお話です。新ちゃんの気持ちも少しずつ変わって行き前向きになっている姿が好きです。

いくつになっても。

無料分だけ読みました。主人公のアララちゃんは五年前から会社でも冷遇され、結婚の予定もないまま４０歳を迎え、将来への不安を感じていた時、新しい居場所を見つけます。

…いま、読んでいる範囲では特にいくつアララちゃんに新しい恋の始まりとか、生活が急展開することはないけど…でも自分を暖かく受け入れてくれる居場所を手に入れたアララちゃんはとても輝いていて、素敵だと思います。結局、いくつになっても、人に必要なものは居心地のよい居場所ですからね。

深い…

40代独身女性の再生の話かと思いきや、ブラジル移民史の話もしっかり書かれていて、なんというか…とにかく深いです。
独身の女が40歳を過ぎて漠然と将来に不安を感じることがあっても、ジルバママやくじらママたちの生きざまを知ることで、またエリーさんや真知姐の今を楽しむ姿を見て、女の人生、まだまだなんだな希望が持てます。素敵です。