4.0
エロコメではなく、禁断の純愛でした
扇状的なタイトルからどんなお気楽なエロコメかと思ったら、いわゆる女教師と生徒の「禁断の恋」、しかも純愛⁈、でした。歳の差カップルもLGBTも漫画の世界では普通になった昨今、現代における禁断の恋ってこれくらいしか残ってないですものね。
100話超えてもエッチの本番はなしです! (途中で少し怪しかったけど)
これだけ手順を踏んで愛を育もうというストーリーも天晴れというべきか。
さっさとヤってしまう事なく、自分の感情に戸惑い、すれ違い、立場の差に不安になり、挙句に相手を思い過ぎて我慢してしまったり。。キスと抱擁だけで引き伸ばすって、とてつもなくエロティック❗️
行為そのものは同じでも、これだけ感情を高めながら愛しさを溜めていくと、触れただけで想いが溢れそうなのが分かります。
展開が遅いというコメントもありましたが、私に言わせればこの遅さと溜めを楽しまなくてどーする、という感じ。
でも絵が綺麗で少し古典的なので、この内容によくあってます。
広樹くんの暗黒時代の目つきとかも、凄くいい。もう少し頻繁に、先生のおかげで見えなくなっている残虐な部分が顔を出すと、話が膨らみそうです。
星四つにしたのは、折角の性依存症(まあ、本人がそう思っているだけで診断されたわけで無い。おそらく中学生時代の性体験インパクトが大き過ぎただけで依存症ではなかったんでしょうけど)
という興味深い設定を生かしきれてない事。養護教諭という設定とセクハラ体験による男性恐怖症と、それに広樹の家庭のえげつなさそうな事情等、設定はすごく興味深く面白そうだったのですが、生かしてないと思いました。
広樹くんの高校生男子とは思えない自制心の強さの説明も、この辺を理由にしてるんでしょうが…
おそらく胸をキュンとさせるラブストーリーに重点を置くと決められたからでしょう。
この設定活かすと、場合によってはめちゃハードになりますしね。
歳の差カップルと言いながら志帆の年齢がアラサー、としか開示されていないのもその辺りかと。
でも、それはそれでいいと思います。(まだ、この設定は今後の展開にも使えるしね)
指先が好きな人の肌や唇に触れることの色っぽさを感じさせてくれる希有な作品ですので、ぜひこのままで。
続きを楽しみにしています。
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