5.0
30年後の人たち誰!?
最後まで読ませていただきました。
ここまで登場人物一人一人の心情や動向を描きながら、スッキリするサスペンスはなかなか見たことがありません。犯人の動機についても、サイコと詠いつつ人間味があって私は好きでした。
加害者側、被害者側、それを取り巻く環境をそれぞれ描き、結局は誰が人をあやめるのかと考えさせられる作品でした。
唯一、橘さんだけが非現実的ではありましたが、この人がそのポジションで存在していなければ新たな確執が生まれてしまっていたことと思います。作品の重点をよりスムーズに気持ち良く消化することができるという意味でも、面白いと感じました。
ただ、ひとつだけ。エピローグで描かれている30年後の登場人物達ですが、私の察しが悪く判別できませんでした。特に真人が誰と会って涙を流したのかがわからず、知りたいのにわからない悔しさでモヤモヤしています。
いつかその答えがわかったらいいなと思っています。
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