3.0
幼い問いと、茶番劇
「ジンメン」の妙な迫力は買う。
ただ、人間による他の動物の搾取とか、愛玩という名の自己愛とか、描きたいことはわからないでもないけれど、正直、浅い、薄い、という印象は拭えなかった。
人間と他の生命との関わりというのをテーマにした漫画、というと、私はどうしても「寄生獣」が浮かぶ。
比較してもしょうがないとはいえ、どう考えても、本作は「寄生獣」の遥か手前で止まっている。
私が小学生なら「ふうむ」と思ったかもしれないが、今更そんなに無知にも無垢にもなれない。
本作が投げかけている問いがあるとして、私は「そんなのわかってるっつーの」と性格の悪い感想しか出てこなかった。
あまりに幼稚な問いに過ぎて、「寄生獣」の広川市長に会いたくなった。
百歩譲ってその点を看過しても、主人公たちのやり取りや独白や行動は、どうにも茶番にしか見えなくて、全く入り込めなかった。
とにかく全てが幼稚だ。
かといって、子どもが読むにはグロ過ぎる。
どうすりゃいいんだよ。
私は動物が好きで、もう少し何かを見出だせる漫画ではないかと思っていたのだが、残念だ。
- 5