5.0
評価低くてビックリ
私は、ご○せんや金○先生のような熱血教師ものがあまり好きではありません。
1クラスでここまで問題が起きるかってくらい事件が詰め込まれていますし、感情論だけでクラスが団結していくというのはあまりにリアリティに欠けるからです。
一方、この作品はとてもリアルです。
一見小さな問題でも子供たちにとっては大きな事件で、それを取り巻く人たちにも様々な感情があって、先生自信も悩み葛藤しながら向き合っていく姿に共感しました。
『教育的指導』がどうやら評価が分かれるようですが、私は一番好きなストーリーです。気持ち悪い、ありえないとの批判コメントも見かけましたが、実際、中学生くらいってちょうど異性に興味を持つ頃で、早い子は経験もする時ですよね。それを頭ごなしに叱ったり引き離したりしても、きっと反発を生むだけだっただろうと思います。それを「母親に問い詰められて秘密を話してしまうほど、まだ子供だということだ」という発言は、実に府に落ち、子供たちも納得する素敵な解決方法だったと思います。そもそも、気持ち悪いものだなんて大人が教えてはいけないんですよね。だって大人はそれを愛情表現の最たるものとして使っていたりするわけですから。
私には娘がいますが、もしいつか娘に彼氏ができて、その時期がちょっと早すぎるように感じた際には、この話をしてあげたいなと思いました。
また、女子生徒を変に意識してしまう様子も、とてもリアルでした。これも気持ち悪いというコメントを見かけましたが、誰だって、恋愛感情を持ってはいけない相手をふと異性を意識してしまったりすることはありますよね。問題はそれを行動に移してしまうかどうか、理性がはたらくかどうかです。理性をはたらかせて、意識してしまう気持ちを押さえようとする姿もまた、実にリアルで、興味深く読みました。
とても読みごたえのある、色々と考えさせられる作品です。
- 13
鈴木先生