5.0
全ては高校の図書館で…
恋におちる瞬間…それは、急に現れる。上条忍の場合は、高校の図書館。くだらない器用さを持て余していた忍が、和華にかけられた一言で、初めて自分を肯定できた瞬間。そして、忍は「痴人」となり、思い続けて10年、和華を手に入れるために、ドイツから帰国します。
各話のタイトルが、名作をモチーフにしているだけではなく(特に後半)、万葉集、源氏物語、古都、蜘蛛の糸、星の王子さま、金魚撩乱などなど多種多様な文学作品が、さりげなく(もなく)登場し、高校時代の国語の勉強を必死に思い出しつつ読みました。ひいろ先生って、文学少女だったん?
イチオシは、おそらく「若きウェルテルの悩み」をオマージュした「若き青年の悩み」の章。
忍のモノローグ「この先 何処へ行っても 何をしても 彼女の元に帰り 愛しぬく」が胸に迫ります。
高校に図書館で恋におち、高校の図書館でプロポーズし、高校の図書館で結婚式を挙げる…出来過ぎな展開ですが、女の子なら一度は夢見たシチュエーションなので、許そう! 1000点満点です。
67話完結となっていますが、実はその後も番外編が描かれていて、そちらも絶対見逃せません。追加配信ってあるのかな? 忍と和華と、そして双子たちの物語、これからも時々はお目にかかりたいと願っています。
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